FX

FXで法人化を行う収入の目安はどのくらい?

FXで継続的に利益を上げている人は投資家全体の1割程度と言われています。そんな厳しい世界で勝ち残っている人は、次なるステップとして法人化を視野に入れることでしょう。

そこで今回は、法人化するメリットやデメリットを紹介した上で、法人化した方が良いという収入の目安を紹介しようと思います。

法人化するメリット

法人化するメリットの最も大きな点は節税対策になるということでしょう。年収700万円~800万円、月収で60万円前後に到達したら、法人化によって節税できる可能性が高くなります。

そのほかにも、信用度がアップする、赤字を繰り越しできる、レバレッジの選択肢を増やせるなど、多様なメリットが存在します。

節税対策になる

これはFXに限った話ではありませんが、事業である程度利益が上がってきたら個人事業主として法人化する方が税金面で有利になります。

その絡繰りは役員報酬にあります。もし家族などが居る場合、常勤役員として報酬を支払えば、その分の課税対象額を減らすことができます。

役員報酬は常識的な目安をもとに報酬額が決定されます。実績や勤続年数などを考慮して算出された金額が毎月の給料やボーナスとして認められるのです。

国内でも最大100倍のレバレッジをかけることができる

法人化すると法人口座を作成できるようになります。法人口座では国内業者であっても100倍の最大レバレッジをかけた取引が可能になります。個人口座が25倍なので、法人化することで4倍も高いレバレッジをかけられるようになります。

海外FX業者でも100倍やそれ以上のレバレッジで取引可能ですが、やはり信用度や使いやすさでは国内の業者に分があります。

さらに気になるのは、今後金融庁の規制が厳しくなるという予測です。その場合、個人口座の最大レバレッジ25倍が10倍や5倍に規制されてしまうかもしれません。そうなれば、さらに法人口座を持つメリットがさらに大きくなるでしょう。

赤字の繰り越し期間を長くできる

FXで年間損失を出してしまった場合、赤字を繰り越すことができます。

例えば、2019年に年間で100万円の損失を出してしまったとしましょう。しかし、トレード技術が上達し、翌年2020年には年間で200万円の利益が出たとします。

その結果、2020年の課税の対象になる金額は100万円となります。

2020年の課税額=200万―100万円(赤字繰越額)=100万円

このケースでは、赤字を繰り越すことによって、課税対象額を半分に減らすことができました。

個人トレーダーと法人トレーダーでは、この繰り越しできる期間が異なります。

個人トレーダーの繰越期間:3年間
法人トレーダーの繰越期間:9年間

もしも、スイスフランショックやリーマンショックなどで、大きな損失を出してしまっても、法人化しておけば長期間にわたって納税額を減らすことができるというわけです。

信用度がアップする

FXで継続的に利益を得られれば、投資だけでなくセミナーを開催したりメディアに出演したりと活躍の幅を広げることができます。

多方面で活動するときに大切なのは、やはり信用度です。個人事業主よりも会社の代表の方が顧客やクライアントから圧倒的に信頼を得やすいでしょう。

法人化のデメリット

次に法人化するデメリットについてです。法人化のデメリットは時間的にも金銭的にもコストが生じてしまうということです。

まず、法人を設立するだけでもコストがかかってしまいます。現在選ぶことができる会社形態は株式会社と合同会社です。

設立にかかる金銭的なコストは次の通りです。

株式会社:24万円程
合同会社:10万円程度

さらに時間的なコストもかかります。定款や登記申請書の作成、さらには銀行の法人口座開設、さらには確定申告の手間も増えることになります。

 

維持費用がかかる

法人は維持するだけでも費用がかかってきます。毎年の決済時にかかる申請書作成費用、そして個人トレーダーには発生しない法人住民税がかかってしまいます。

こうした設立費や維持費を考慮してもなお、法人化するメリットが大きいと判断できれば、法人化する意味は大いにあるでしょう。

安定的に利益を生み出す必要がある

一般的に税金面だけで判断した場合、法人化の目安は年間の利益が800万円程度と言われています。

つまり、毎年1000万円近い利益を出さないと、税金面における法人化のメリットは薄いと言えるのです。

よほど資金力があり腕に自信がなければ、この数字というのは達成できないでしょう。厳しい世界では勝ち残れません。

法人化する目安は?

法人化するメリットやデメリットをチェックしたところで、法人化する目安について考えてきましょう。

例えばFX取引で次のように利益が出て経費がかかったとしましょう。

  • 年間収益:1000万円
  • 年間経費:50万円

個人事業主の場合、課税の対象となる金額は

1000万円-50万円=950万円です
※単純化のため各控除が無いものと仮定

分離課税の20.315%をかけると税額が計算されます。

950万円×20.315=193万円(小数点以下は四捨五入)

一方法人の場合、役員報酬を経費に計上することができます。毎月の役員報酬を40万円に設定しておくと、課税の対象となる金額は以下のように計算できます。

1000万円-50万円-360万円=470万円

課税対象額にかかる税金は法人税だけではありません。地方法人税、住民税、事業税がかかってきます。各税金の種類、税率、計算方法は以下の表にまとめています。

税の種類 税率 計算方法
法人税 23.4% 所得×税率
地方法人税 4.4% 法人税×税率
住民税 4.4% 法人税×税率
事業税+地方法人特別税 9.59% 所得×税率

※これらの税率は事業開始年度や所得によって異なる場合があります。

4つの税からは法人実効税率を導出することができます。計算方法をまとめると以下の通りになります。

法人実効税率=法人税+(法人税×地方法人税)+(法人税×住民税)+事業税

=23.4%+23.4%×4.4%+23.4%+12.9%+9.59%=37.04%(小数点以下四捨五入)

これをかけると税額が計算されます。

490万円×37.04%=約181万5000円

先ほどの計算では役員報酬を40万円と設定しましたが、認められる範囲でもっと大きな金額に設定することができます。

目安は月収60万円程度

すでに説明したように、法人化する目安は年収で700万円~800万円程度と言われています。月収に換算すると60万円程度です。ただし金額は控除額によって異なるので、控除額がどの程度あるのかもあわせて確認しておきましょう。

法人化することのメリットは何と言っても節税できるということです。これからトレードを始める人も、いずれは法人化ということを目標にしてトレードに臨むことをおススメします。